さく:エリック・カール / やく:もりひさし 出版社:偕成社 初版:1986年11月 ページ数:28ページ サイズ:H29×W21cm / 重さ:500g
絵本の内容
「パパ、お月さまとって!」は、お月さまと遊びたくなったモニカが、パパにお月さまをとってもらう物語です。パパは長いはしごを使って高い山に登り、お月さまに到達します。しかし、お月さまはとても大きく、持ち帰ることができません。
お月さまが毎晩少しずつ小さくなることを教えてくれますが、パパは果たしてお月さまを持ち帰ることができるのでしょうか? モニカはお月さまと遊ぶことができるのでしょうか?物語の続きは、ぜひ絵本を手にとってご覧ください。
主なテーマ
この絵本の主なテーマは、「愛情」と「想像力」です。パパは、娘のモニカの願いをかなえるために、お月さまをとりに行きます。パパは、愛情深く、勇敢に挑みます。モニカは、お月さまと遊びたいという夢を持っています。モニカは、好奇心旺盛で、想像力豊かです。
作品のカテゴリー
この記事では、この絵本を「定番・名作」のカテゴリーに分類しました。「はらぺこあおむし」でも有名なエリック・カールさんが1986年に発表した、彼にとっては比較的新しい作品ですが、世界中の子どもたちに愛され続けている名作のひとつと言えるでしょう。
また、この絵本は、お月さまをとりに行くという不思議な冒険を描いていることから「冒険・ファンタジー」の要素も含まれているといえます。この絵本では、お月さまは、子どもたちの夢や願望を象徴するものです。お月さまに触れることは、現実的にはありえないことですが、誰もが一度はお月さまに向かって手を伸ばし、月への旅に想いを馳せたことがあるのではないでしょうか。
この絵本は、エリック・カールさんの代表作のひとつであり、冒険とファンタジーに満ちた絵本です。
おすすめのポイント
エリック・カールさんの絵本は、鮮やかな色とりどりの紙を切り貼りする独自の画風が特徴的です。さらにこの絵本は、ユニークで楽しい「しかけ」が満載です。絵本のページが左右上下に開いてはしごの長さや空の高さを表現していたり、お月さまの大きさを絵本をはみ出すほどの「しかけ」で表現しており、見ているだけで楽しくなります。お月さまの大きさや満ち欠けは、子どもたちにとって興味深いものです。
また、パパとモニカの関係がとても微笑ましく描かれています。パパとモニカは、とても仲がいい親子です。パパは、モニカの願いを叶えるために一生懸命です。モニカは、パパのことを信頼しています。パパとモニカは、お互いに笑顔で話しかけたり、抱きしめたりしています。パパとモニカのやりとりからは、親子の愛情が伝わってきます。
読み聞かせのヒント
繰り返しになりますが、この絵本は、パパとモニカの愛情が深く描かれています。そのため、彼らの会話をやさしく丁寧に読むことで、子どもたちの興味や感情に訴えることができます。例えば、「お月さま とって!」というモニカの言葉は、願望を表すように高い声で読んだり、パパの言葉は、優しく安心させるように低い声で読んだりすると効果的です。
また、お月さまの大きさや満ち欠けの動きや色や形が豊かです。お月さまの大きさの変化にあわせて声のトーンに変化をつけるなどして読むと、子どもたちの興味を引くことができます。
何度も同じ絵本の読み聞かせを繰り返しても「しかけ」の前で子どもたちはワクワクするものです。「しかけ」のページを開いたときには、一緒に驚いたり喜んだりして共感を示すとよいでしょう。
まとめ
「パパ、お月さまとって!」は、エリック・カールさんの名作であり、子どもたちの想像力を刺激する冒険とファンタジーに満ちた絵本です。物語は、お月さまと遊びたくなったモニカが、愛情深く勇敢なパパにお月さまをとってもらうというものです。
鮮やかな色とりどりの紙を切り貼りする独自の画風と、ユニークで楽しい「しかけ」が特徴的です。絵本からはみ出すほどのお月さまの大きさを表現した「しかけ」は必見です。
パパとモニカの親子関係が微笑ましく描かれており、その愛情が伝わってきます。読み聞かせの際には、彼らの会話をやさしく丁寧に読むことや、お月さまの大きさや満ち欠けの動きを表現することが子どもたちの興味を引くポイントとなります。この絵本は、子どもたちの想像力を刺激し、親子の絆を深める素晴らしい一冊です。ぜひ手に取って、その魅力を体験してみてください。