驚きの美女誕生!無料AI画像生成ツールを共通プロンプトで徹底比較【実例画像付き】

はじめに

AI技術の進化により、誰でも簡単に美しい画像を生成できる時代が到来しました。特に、無料で利用できる AI画像生成ツールは、多くのクリエイターやデザイナーにとって強力なツールとなっています。本記事では、複数の無料AI画像生成ツールを共通のプロンプトで比較し、その性能を徹底検証します。

比較対象のAI画像生成ツール

ここでは、無料で利用できるAI画像生成ツール(サイト)を紹介します(2024年9月現在)。サイト登録時に付与されるポイントがなくなると有料でないと使えなくなるようなサイトは避け、無料で継続して使い続けることができるサイトを取り上げます。それぞれのツールの特徴や使い方について触れていきます。

Bing Image Creator

  • 概要: Microsoftが提供する AI画像生成ツールで、DALL·E 3 モデルをベースにしています。
  • 特徴: Microsoft Rewards ポイントを使用して生成速度をブーストすることが可能です。簡単なインターフェースで、手軽に画像生成ができます。

imageFX

  • 概要: Google が提供する AI画像生成ツールで、最新の Imagen 3 モデルを使用しています。
  • 特徴: 完全無料で利用可能で、商用利用も可能です。エクスプレッシブチップス機能により、プロンプトの一部を簡単に変更して異なるスタイルやバリエーションを試すことができます。

Stable Diffusion Online

  • 概要: Stability AI が開発したオープンソースの AI画像生成モデルで、2022年に公開されました。
  • 特徴: 潜在拡散モデルを使用しており、計算量やメモリの消費量を削減しながら高解像度の画像生成が可能です。商用利用も可能で、拡張機能を追加することでさらに高品質な画像生成ができます。

Adobe Firefly

  • 概要: Adobe が提供する生成AIツールで、Firefly Image モデルを使用しています。現在(2024年9月)の最新モデルは Firefly Image 3 がリリースされています。Adobe の他のクリエイティブアプリケーションと連携して使用できます。
  • 特徴: 商用利用が可能で、Photoshop や Illustrator などのアプリで使用できる多機能な生成AI機能を提供します。生成クレジットを使用して画像を生成し、無料プランでも毎月一定数のクレジットが提供されます。

項目Bing Image CreatorimageFXStable Diffusion OnlineAdobe Firefly
提供会社MicrosoftGoogleStability AIAdobe
使用モデルDALL·E 3Imagen 3Stable Diffusion XLFirefly Image 3
料金無料無料無料(プロプラン、マックスプランあり)無料(プレミアムプランあり)
生成制限制限なし。ただし
週25回のブーストまで高速化。1回のプロンプトで4枚の画像生成
1日の上限あり(おそらく64枚程度)。
1回のプロンプトで最大4枚の画像生成
無料プランは1日10クレジット。
1回のプロンプトで2枚の画像生成
無料プランは毎月25クレジット。
1回のプロンプトで4枚の画像生成
シードロック未対応対応対応未対応
日本語プロンプト対応未対応未対応対応
商用利用可能可能可能可能(無料プランはウォーターマークが付くのでプレミアムプラン推奨)
適応用途一般的な画像生成、クリエイティブなプロジェクト高品質な画像生成、商用利用フォトリアリズム、複雑なプロンプト処理クリエイティブなプロジェクト、画像編集
主な特徴テキストプロンプトから最大4枚の画像を生成。高品質な画像生成が可能。高品質な画像生成が可能。プロンプトの一部がドロップダウンリスト化され、指示を変更可能高度なフォトリアリズムと複雑なプロンプト処理が可能。オープンソース。PhotoshopやIllustratorなどのアプリで使用可能。多機能な生成AI機能を提供。

プロンプトの設定

すべてのツールで使用する共通のプロンプトを設定します。今回は「美しい女性の画像」というメインテーマに基づき、美女の容姿や所作、天候、場所、シチュエーション、画像スタイルなど、具体的な指示を含めたプロンプトを使用します。さらに、日本語と英語のプロンプトを使用した場合の比較も行います。効果的なプロンプトの設定方法や注意点についても解説します。

  • 日本語プロンプト: 「日本人女性、20代、美しい、夏、海浜公園、カメラ目線、頬に手をあてる、笑顔、ストレートロングヘア、透け感のある前髪、白いタンクトップ、リアル、高解像度、精緻なディテール」
  • 英語プロンプト: “A Japanese woman, 20s, beautiful, summer, seaside park, looking at the camera, hand near cheek, smiling, long straight hair, wispy bangs, white tank top, real, high resolution, intricate details”

実際の生成画像比較

各ツールで生成された画像を比較し、その特徴やクオリティについてレビューします。

imageFX と Stable Diffusion Online は日本語未対応なようなので、英語プロンプトのみ、Bing Image Creator と Adobe Firefly については、日本語と英語のプロンプトを使用した場合の違いも含めて生成します。また、画像の縦横比を選択できるツールもありますが、今回はすべて正方形に統一しました。

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Bing Image Creator の結果

生成された画像は非常にリアルで、細部まで丁寧に描かれています。基本的にはプロンプトを日本語でも英語でも同様の画像が生成されるようです。特に肌の質感や表情の細かい部分までリアルに再現されており、非常に高品質な画像を生成します。

【日本語プロンプト】
画像BIC-J1 の親指のあたりは若干雑な感じがします。画像BIC-J2 では指示していないのにネックレスつけています。AI がネックレスを必要と感じたのでしょうか。。。

【英語プロンプト】
画像BIC-E2 の手の形がいびつですね。親指も若干雑な感じがします。このような画像もまだ若干残るようです。以前ほどではないですがやはり指先の表現は難しいところなのでしょうか。ちなみに 画像BIC-E1 の背景が自分のイメージと一致しています。

imageFX の結果

生成速度が速く、短時間で多くの画像を生成できる点が優れています。カスタマイズオプションも豊富で、ユーザーのニーズに応じた画像を作成できます。また、一度に生成される画像には共通のシード値が付与されるので類似した画像が生成されます。

若干、セルルック的な画風ではありますが、比較的安定してきれいな画像が生成されています。

ただ、画像iFX-2 を注意深く見ると、親指に乱れが生じていたり、耳ともみあげ辺りの表現に違和感があります。やはり、こうした画像も混ざることがあるので注意が必要です。

Stable Diffusion Onlineの結果

無料で生成できる画像の数が多く、初心者にも使いやすいです。初心者に優しいインターフェースと、無料で生成できる画像の数が多い点が魅力です。登録不要で手軽に利用できるため、初めてAI画像生成を試す方におすすめです。

髪や肌の質感がきれいに表現されているのではないでしょうか。また、指については、画像SDO-1 のような乱れも見受けられますが、全体的にみると比較的きれいに表現されていると感じます。

Adobe Fireflyの結果

Adobe Fireflyは、他のツールとは毛色の異なる特徴的な画像が生成されています。このツールでも指先や顔のパーツに乱れが生じることがあり、その発生頻度は他のツールよりやや高いと感じました。生成される画像の質にばらつきが見られますが、豊富な独自のフィルターやエフェクトが魅力的なので、今後の改善に期待したいところです。

なお、日本語プロンプトと英語プロンプトで生成される画像の構図自体に大きな差は感じられませんでしたが、たまたまかもしれませんが英語プロンプトの方が画像の乱れが多いように思いました。

【日本語プロンプト】
日本語プロンプトで今回生成された画像は、全体的に安定しており、特に顔のパーツや手の形に大きな乱れは見られませんでした。

【英語プロンプト】
画像AF-E6 の画像は、手の形が乱れまくりとても使えるものではないですし、画像AF-E3 や 画像AF-E7 に至っては顔のパーツに致命的な乱れが生じてしまっています。

画像生成時に発生するエラー

AIツールには、安全で公正なコンテンツを提供するためのポリシーが定められています。「著作権や商標の侵害」や「特定の人物や個人情報の使用」など、ポリシー違反が発生すると、自動的に画像生成を停止したり、意図した通りの画像が生成されないことがあります。場合によってはアカウントが凍結される可能性もあるようです。

特に、女性の画像を生成する際には、見た目や仕草などに関する指示を与えると、意図せずにエラーが発生することがあります。

今回、この記事を作成するために「beautiful woman」や「fingertips on chin」「white camisole」「white skin」などのプロンプトも試したところ、これらの指示でもエラーが発生することがありました(必ずではありません。そのときの解釈によるものなのでしょうか)。

Stable Diffusion Online のエラー
imageFX のエラー

ポリシー違反が発生するケース

  • 外見に関するセンシティブな内容
    「特定の体型」や「肌の色」など、外見に関する指示が差別的、ステレオタイプ的な表現と解釈されることがあります。AI生成ツールは、ポリシーの観点から外見に対する偏見や差別を避けるため、特定の外見的特徴を強調するプロンプトにはエラーを返すことが多いです。
  • 特定の仕草が性的または不適切と解釈される場合
    「口元に手をあてる」や「目を隠す」といった仕草は、文化的・社会的な背景により、意図せず誤解されることがあります。AIツールは、こうした仕草を挑発的または不適切と判断し、安全策として画像生成を停止することがあります。
  • 不適切な描写のリスク
    露出度の高い服装やポーズを含む見た目の指示が、不適切なコンテンツとみなされる場合があります。たとえば、「ミニスカート」や「体にフィットする衣装」などの描写が、挑発的と判断されるとエラーが発生することがあります。
  • 倫理的な配慮
    AIツールは、特に女性の画像生成において、性的な暗示や暴力的な要素が含まれていないかを厳しくチェックします。見た目に関する指示が微妙なニュアンスを含む場合、ツールはこれを倫理的なポリシーに抵触すると判断し、画像生成が制限されることがあります。

エラーを回避するためのポイント

  • 具体的でニュートラルな表現
    「美人」「かわいい」といった曖昧な表現よりも、「やさしそうな笑顔」「明るい目」といった具体的かつニュートラルな特徴を用いることで、誤解やエラーを減らすことができると考えられます。
  • 適切な服装やポーズの指定
    過度に露出が多い服装や挑発的なポーズの指示は避け、自然な仕草やスタイルを選ぶとエラーのリスクが軽減すると考えられます。

評価とレビュー

各ツールを使ってみて感じたことを、女性のタイプ、画像のクオリティ、画像のサイズ、使いやすさ、生成速度、生成エラーの頻度について評価します。

  • 女性のタイプ:美人かどうかは個人の主観なのでおいておくとして、Bing Image Creator は「意識高めのお姉さん」風の THE AI美女、imageFX は「文化系の清楚な女の子」、Stable Diffusion Online は「元気なスポーツ系女子」、 Adobe Firefly は、若干ダークな「アジアンテイストな女性」が生成されました。
    今回はたまたまそのような結果になっただけで、プロンプトの作り方でさまざまなのでしょうが、少なくとも共通のプロンプトを使用して生成した時にそれぞれの女性の表現が特徴的で、それぞれのモデルが考える、いわゆる「美女」のタイプが異なるのは面白いですね。
  • 画像のクオリティ:どのツールにも指先や輪郭など細かい部分に若干の乱れが発生することがあります。現時点で一番安定しているのは Stable Diffusion Online でしょうか。Adobe Firefly は、乱れる範囲が広く、頻度も高いように感じました。
  • 画像のサイズ:Adobe Firefly で生成される画像の大きさは 2048×2048ピクセルで、それ以外のツールは 1024×1024ピクセルで出力されます。また、サイズについては、imageFXAdobe Firefly が 1.0~1.5MB程度、Bing Image CreatorStable Diffusion Online は、100~150KB程度でした。
  • 使いやすさ:基本的な画像を生成するだけなら、どのツールもプロンプトを入力して生成ボタンを押すだけなので簡単です。imageFX は、プロンプトが自動でドロップダウン化されるので、さまざまなシチュエーションで画像を生成するのに有効です。Stable Diffusion OnlineAdobe Firefly は、フィルターやエフェクトで画像のスタイルをいろいろ変更して試してみるのに最適です。Bing Image Creatorは、基本機能以外はそぎ落としているので単純でわかりやすいです。
  • 生成速度: 1回の画像生成の時間は、Bing Image Creator が 13秒、imageFX が 20秒、Adobe Firefly が 13秒、Stable Diffusion Online が 24秒という結果でした。
  • 生成エラーの頻度:いろいろ試している中で、特段不適切なプロンプトを与えているつもりはないにも関わらず、Stable Diffusion Online は生成エラーの発生頻度が高いと感じました。続いて imageFX も割と生成エラーになる場合が多いです。Bing Image Creator Adobe Firefly は、普通に使用している限り、「beautiful woman」や「fingertips on chin」「white camisole」「white skin」程度では生成エラーは発生していません。
  • 総合評価:どのツールにも一長一短はあるかと思います。美女を生成する場合であれば、私はMicrosoft 365ユーザーでもあるので、Bing Image Creator を選択します。また、類似した画像をもとにさまざまなシチュエーションの画像が大量に欲しいときには imageFX を使う、といったところです。Adobe Fireflyは、Adobe Expressでシームレスに使えることが魅力ですが、今後の調整に期待しています。

まとめ

AI画像生成ツールは、誰でも簡単に美しい画像を作成できる強力なツールです。今回の比較では、各ツールの特徴や性能を詳しく検証しました。各ツールにはそれぞれの一長一短があり、用途やニーズに応じて選ぶことが重要です。AI技術の進化により、今後も新しいツールや機能が登場することを期待しています。これからもAI画像生成ツールを活用して、クリエイティブなプロジェクトを楽しんでください。

参考リンク