【Power Automate】Excelの名簿から個別ファイルを添付して一斉にメールを送信する方法

Power Automateは、効率的な業務プロセスの自動化を可能にする強力なツールです。

本記事では、Power Automateを使用してExcelの名簿を読み込み、個別のファイルを添付して一斉にメールを送信するシステムを構築する手順をご紹介します。このシステムを構築することで、大量のメール送信作業を短時間で完了させることができます。

記事を通じて、Power Automateの基本的な操作や機能について理解を深めつつ、実際にシステムを構築するためのファーストステップとしていただけると幸いです。

システム構築の準備

1.Power Automateを使用するためには、Microsoft 365のアカウントが必要です。アカウントを持っていない場合は、Microsoft 公式のウェブサイトからアカウントを作成してください。

2.個人情報を含む名簿管理に使用するExcelファイルを準備します。Excelファイルには、受信者コード、受信者名、宛先メールアドレス、添付ファイル、コメントなどの列を含めます。また、名簿はExcelのテーブル機能で定義されている必要があります。

3.ExcelファイルをPower Automateでアクセスできるようにするために、OneDriveにアップロードする必要があります。OneDriveは、Microsoft 365に含まれるクラウドストレージサービスです。ExcelファイルをOneDriveにアップロードすると、Power Automateからアクセスできるようになります。また、添付ファイルも同じフォルダ(ここでは「メール一括送信」フォルダ)に保存されているものとします。

4.Power AutomateでOneDriveとOutlookを連携させるために、それぞれのアカウントにログインしておく必要があります。Power Automateを使用する際に、「このアプリがあなたの情報にアクセスすることを許可しますか?」とアクセス許可を求められる場合がありますので同意してください。

以上で準備が整います。続いてPower Automateフローを作成する手順を紹介していきます。

フローの作成

1.Microsoft 365のメニューから「Power Automate」を選択します。

2.左ペインから「作成 > インスタントクラウドフロー」を選択して作成します。

3.「インスタント クラウド フローを構築する」画面から「フロー名」ボックスに「メール送信フロー」と入力します。「手動でフローをトリガーします」を選択して「作成」をクリックします。

4.「新しいステップ」をクリックして最初の新しいステップを追加します。操作の選択で「Excel Online(OneDrive)」を選択し、「アクション」から「表内に存在する行を一覧表示」を指定して設定を行います。「ファイル」ボックスには、OneDriveに保存されたExcelファイルを指定し、「テーブル」ボックスにはExcelで定義したテーブル名を入力します。

5.「新しいステップ」をクリックして次の新しいステップを追加します。「コントロール」を選択し、「アクション」から「それぞれに適用(Apply to each)」を指定して設定を行います。以前の手順からの出力として「value」を選択し、表内に存在する行を繰り返す処理を行います。

6.「アクションの追加」をクリックして最初のアクションを追加します。操作の選択で「OneDrive」を選択し、「アクション」から「パスによるファイルコンテンツの取得」を指定して設定を行います。「ファイルパス」ボックスには、Excelファイル内のテーブルの添付ファイルのパス名が入力されている列を選択します。

7.「アクションの追加」をクリックして次のアクションを追加します。操作の選択で「Outlook.com」を選択し、「アクション」に「メールの送信(V2)」を指定して設定を行います。
・「宛先」ボックスには、「動的なコンテンツの追加」からExcelファイル内のテーブルのファイルのメールアドレスが入力されている列を選択します。
・「件名」は送付するメールの件名を入力します。必要に応じて動的コンテンツを指定することもできます。
・「本文」にメッセージを入力します。受信者名など必要に応じて動的コンテンツを指定することもできます。

8.「詳細オプションを表示する」をクリックします。必要に応じて情報を入力します。ここでは添付ファイルに関する情報のみ入力します。「添付ファイル 名前」には、添付するファイルにつける名前を指定します。 「添付ファイル コンテンツ」には、「ファイルコンテンツ」を選択します。

9.「保存」をクリックしてフローを保存します。

テストと実行

1. フローの作成が完了したら、「フローチェッカー」をクリックしてフローにエラーがないことを確認します。

2.「テスト」をクリックして動作を確認します。テストでは、実際の名簿データを使用し、メール送信が個別に行われることを確認します。テストが正常すると「ご利用のフローが正常に実行されました。」と表示されます。

3.使用可能になったフローは「マイフロー」から「▷(実行)」で実行できます。

まとめ

以上がPower Automateを使用してExcelの名簿から個別のファイルを添付して一斉にメール送信する手順でした。この方法を使えば、複数の受信者に対して個別のファイルを添付したメールを一括で送信することができます。

Power Automateを活用することで、作業の自動化と効率化を実現し、大小さまざまな業務やプロジェクトに適用することができます。まずは身近にある、難しくはないけれどちょっと面倒くさい仕事に利用できないか検討してみてください。

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