Windows10/11に搭載されている「クイックアシスト」は、遠隔地にあるパソコンをリモートで操作しながらサポートを提供するためのツールです。この記事では、クイックアシストの概要からアプリのインストールと使い方までを紹介します。
使い方はサポートされる側とする側にわけ、それぞれの手順を説明します。サポートする側(以下、アシスタント)はマイクロソフトのアカウントの認証が必要ですが、支援される側(以下、ユーザー)は認証の必要はありません。
クイックアシストの概要
クイックアシストとは
マイクロソフトのクイックアシストは、リモートでの遠隔サポートを提供するツールです。アシスタントがサポートされる側のデスクトップにアクセスし、問題の解決やサポートを行います。
ユーザーとアシスタントとのリアルタイムのコミュニケーションを通じて、効率的かつ迅速なサポートを提供するツールです。詳細は次のサイトをご覧ください。
クイック アシストを使用してユーザーを支援する(新しいタブで開く)
クイックアシストの利点と特徴
クイックアシストには以下の利点と特徴があります:
- 迅速な問題解決: アシスタントがリモートでデスクトップにアクセスし、直接操作することで、問題を素早く特定し解決できます。手順や設定の説明が必要なく、リアルタイムでの対応が可能です。
- クイックアシストでは、チャット機能を通じてアシスタントとユーザーがリアルタイムでコミュニケーションを取ることができます。質問や疑問に対して即座に回答を得ることができます。
- クイックアシストは直感的で使いやすいインターフェースを提供しています。初心者でも簡単に操作できるため、技術的な知識や経験がなくても利用することができます。
クイックアシストのセキュリティについて
クイックアシストでは、セキュリティに配慮した仕組みが導入されています。
- クイックアシストでは、画面共有のアクセス認証が行われます。ユーザーはアシスタントから示されたセキュリティコードを入力することで、アシスタントによるアクセスを許可する必要があります。セキュリティコードは直前に共有されるため、不正なアクセスを防ぐことができます。
- ユーザーはいつでもアシスタントのコントロールをキャンセルすることができます。
クイックアシストのアプリのインストール
インストールされているかどうか確認する
クイックアシストは、Windows10/11にプリインストールされているアプリです。現在の新しいバージョンは「Microsoft Store」での提供に切り替わりました。Windows11バージョン22H2では新しいバージョンのクイックアシストがプレインストールされています。
クイックアシストは、Windows10では[Windowアクセサリー]の中にありましたが、Windows11ではスタートメニューの[すべてのアプリ]から[クイックアシスト]を探して起動します。
[クイックアシスト]が見当たらない場合は、「Windowsキー+Ctrlキー+Q」のショートカットキーで「クイックアシスト」アプリを起動することができます。
クイックアシストのインストール
クイックアシストが見当たらない場合や起動しない場合は、「Microsoft Store」からインストールできます。詳細は次のサイトをご覧ください。
クイックアシストの使い方 – サポートされる側
セキュリティコードの取得方法
クイックアシストを利用するためには、アシスタントから提供されるセキュリティコードを取得する必要があります。通常、セキュリティコードは電話、メール、チャットなどの方法で共有されます。ユーザーは事前にセキュリティコードを入手しておく必要があります。
クイックアシストの起動とセキュリティコードの入力
クイックアシストアプリを起動し、画面に表示されるセキュリティコードの入力欄に、アシスタントから提供されたセキュリティコードを入力します。セキュリティコードの入力が完了したら、[送信]をクリックしてセッションの接続を開始します。
画面共有のアクセス許可
セキュリティコードの入力後、画面共有を許可するかどうかを確認するメッセージが表示されます。画面共有を許可することで、セッションの接続が確立しアシスタントがユーザーのデスクトップにアクセスできるようになります。
アシスタントとのコミュニケーション方法
画面が共有されると、画面の上部に「画面の共有は有効です」のメッセージバーが表示され、アシスタントとリアルタイムでコミュニケーションを取ることができます。クイックアシストアプリ内のチャット機能を使用して、問題や質問に対してアシスタントとコミュニケーションを行います。アシスタントから必要な手順や解決策についての指示を受け、サポートを受けることができます。
コントロールの許可
画面を共有しただけではアシスタントはユーザーのデスクトップを操作することはできません。アシスタントがユーザーのデスクトップを操作するためには、アシスタントからのコントロール許可申請にユーザーが許可を与える必要があります。アシスタントがコントロールの許可申請が出されると画面上部に許可要求が表示されるので[許可]を選択します。
コントロールのキャンセル
ユーザーはいつでもアシスタントのコントロールをキャンセルすることができます。コントロールをキャンセルすると、アシスタントはユーザーのデスクトップを操作することはできず、画面共有のみが行われます。
画面共有の終了
サポートが終了した場合は、[参加の終了]を選択してクイックアシストを終了します。
クイックアシストの使い方 – サポートする側
クイックアシストの起動とユーザーサポートの開始
サポートを提供する側として、クイックアシストアプリを起動します。アプリが起動したら、[ユーザーをサポートする]を選択してセッションの接続を開始します。
ユーザーへのセキュリティコードの提供
マイクロソフトアカウントが要求されます。認証後、セキュリティコードが生成されます。このセキュリティコードを電話、メール、チャットなどの方法でユーザーに提供します。セキュリティコードの有効期限は10分間です。
セッションの確立と画面共有
ユーザーがセキュリティコードを入力するとセッションの接続が確立されます。ユーザーが画面共有を許可するとユーザーの画面がアシスタントと共有されます。
ユーザーのデスクトップの操作
画面を共有しただけではアシスタントはユーザーのデスクトップを操作することはできません。アシスタントがユーザーのデスクトップを操作するためには、[制御を要求]を選択してユーザーにコントロールの許可申請を行いユーザーからの許可を得る必要があります。
アシスタントはチャットやレーザーポインタ、注釈ツールを用いながらリアルタイムのコミュニケーションを通じて、問題解決に向けてサポートを提供します。
コントロールのキャンセル
ユーザーのデスクトップの操作を終了する場合は、コントロールをキャンセルします。コントロールをキャンセルされると、アシスタントはユーザーのデスクトップを操作することはできず、画面共有のみが行われます。
画面共有の終了
サポートが終了した場合は、[参加の終了]を選択してクイックアシストを終了します。
セキュリティ上の注意事項
クイックアシストを使用する際には、セキュリティに関する注意事項に留意する必要があります。以下のポイントに注意してください。
- セキュリティコードは他人と共有しないでください。セキュリティコードを知っている人がアクセスすることができますので、不正なアクセスを防ぐために厳重に管理してください。
- クイックアシストを利用する際には、信頼できるソースからのみセキュリティコードを入手してください。不明な送信元から提供されたセキュリティコードは使用しないでください。
- セキュリティコードを入力する際には、周囲に他人がいないことを確認してください。他人にセキュリティコードを見られることで、不正なアクセスのリスクが生じる可能性があります。
- クイックアシストでは、アシスタントがリモートでユーザーのデスクトップを操作することになります。自分のデスクトップが操作されている間は、不審な操作や意図しない変更が行われないようにアシスタントの行動を注意深く監視することも必要です。
おわりに
クイックアシストは、効率的かつ迅速な遠隔サポートを実現する強力なツールです。セキュリティに留意しながら正しく活用することで、トラブル解決やサポート品質の向上に役立てることができます。
ただし、クイックアシストはWindows専用のアプリケーションですので、他のオペレーティングシステムでは利用することはできません。遠隔サポートを実施する際には、ZOOMなど他のツールも検討し、ニーズに応じて適切なツールを選択してください。